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観劇 「南十字星」 劇団四季 [プライベート/日記]

劇団四季のミュージカル“南十字星”を観劇してきました。
昭和の歴史三部作として公演しているものの第三弾。
太平洋戦争で南方へ出征した主人公のお話。
劇中、バリ舞踊も盛り込まれ魅せられ、そして最後には号泣。
三部作を通して、いろいろ考えさせられるのでした。

劇団四季
昭和の歴史三部作
南十字星


恋人のインドネシア留学生と現地で再会。日本人・インドネシア人・オランダ人(日本軍の捕虜となっていた)わけへだてなく、人間的に接する主人公だが、理不尽な誤解や兄をかばい通した為、無実の罪でBC級戦犯として裁かれて絞首刑となってしまう。
最後、主人公のこの青年は、現代の若者に向けてメッセージを語る。

憲法問題や、総理の靖国参拝、日中韓のいろいろな問題や昨年末にあった東アジアサミットのニュースを思い出したり、いろいろ考えさせられるのでした。
とはいっても、それらの問題についての“意見”とまではゆかず、意見も持つための知識、特に歴史認識を私自身ほんとーに持ち合わせていないなぁというところです。
憲法改正や首相の靖国参拝についての意見をBlogで述べるなんてできません。
ですが、先の戦争でなにがあったのかを中学~高校でもほとんど教わっていないと改めて思い、このままでいいのかしらと不安を感じます。
中国や韓国では、それぞれの国の教育で先の戦争についてみっちり教育を受けている。それに対して日本の歴史教育はそれを避けるような内容だと聞かれるが、たしかに私自身もそうであったと感じる。教育を受けたものと受けないものとの間で、まともな意見の交換ができるわけがない。
そういった意味で、劇団四季の昭和の歴史三部作“李香蘭” “異国の丘” そして “南十字星”を通してみると、日本と中国そして満州のこと、シベリア抑留、太平洋戦争などなどを登場する主人公を通して見ることができる。
勉強しようと思うと大変だし、語って聞かせてくれた祖父・祖母ももういない今、ミュージカルを通して語り継がれるというのは意義深いものがあると思うのでした。
それを、集客力のある日本を代表する劇団四季がやってくれているということに安心感を覚えるのと同時に、多くの人に観てもらいたいなぁと思うのでした。

バリ島に旅行したとき、バリ舞踊を各種観て来ました。今回の作品には、生のガムラン演奏で本場さながらのダンスが披露されています。
バロンとかレゴンとかケチャとか、そういった感じのものがあったと思います。
(あんまり詳しくないので正しくは分かりませんが)
本場の独特な雰囲気にはやはり及ばないかなぁと思うものの、さすがプロのダンサー達の踊りはきれいにまとまっていてすばらしいと思いました。
欲を言えば、お香の香りを場内にちょっと漂わせたら、かなりそれっぽい感じになるなぁなんて勝手に思うのでした。

李香蘭は有名な作品ですが、劇団四季では大好きな野村玲子さんを主人公に10年以上前から公演されている。
「異国の丘」は、「南十字星」とともに劇団四季のオリジナルミュージカルで、これで三部作全部を観るにいたりました。
作品として私が好きなのは「異国の丘」です。
事実に基づいたフィクションで、主人公は当時の首相の御曹司。中華事変の頃、アメリカに留学中に知り合った中国人女性と恋に落ちるものの、相手は敵国中国高官令嬢。かなわぬ恋であるが、中国との戦争が泥沼化する中、和平工作の為にこの2人は活躍するのです。
ところがどっこい成功するどころか、工作は失敗し彼女は死んでしまう。
さらにさらに、彼はその後配属された満州で捉えられシベリアに抑留。首相の息子である立場から簡単に日本に返してもらえず死に至るのです。
この原作となっているのが西木正明著「夢顔さんによろしく」なのですが、実在の人物のお話しでストーリーは、かなり面白いです。若き当時の日本のプリンスはかなりの色男でアメリカで中国で、ブイブイいわせていたという背景をもちながら、後半は長いシベリア抑留生活・・・・
本当に面白かったのと同時に、シベリア抑留という事実を再認識するきっかけにもなりました。
会社で、入社当時お世話になった年配の方がいらしたのですが、数年前に社長が亡くなったときによせたその方のメッセージの中で、シベリアでの抑留経験があったということを記されていてびっくりしました。ちょうど「異国の丘」を観た頃でしたので私の中ではタイムリーだったんですね。「異国の丘」を観ていなければ気にもとめていなかったかもしれません。その方も、そのメッセージをよせた後すぐにお亡くなりになり、戦争経験を持つ人達がどんどんいなくなっているんだというのを再認識し、話しは戻りますが日本人もちゃんとした歴史認識を持つべきだと思うのでした。

めずらしく長々と書いてしまいました。

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夢顔さんによろしく 下―最後の貴公子・近衛文隆の生涯   文春文庫 に 9-4

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コメント 2

はじめまして、kurumiと申します。
今度京都に「南十字星」が来るのでどうしようかな・・、と悩んでおりましたが、今日おうかがいして、やっぱり観に行こう!と決心(大げさですね)しました。^^
とつぜんに失礼しました。^^;
by (2006-01-11 15:41) 

ゆみみん

kurumiさん>>
はじめまして。
「南十字星」も初演から回をかさねているから、良くなっているのでは。
今回、私もまったくのはじめてでしたが、そろそろ見頃かなって感じでしょうか。
最後は、涙が止まりませんでしたよ〜。
by ゆみみん (2006-01-13 02:11) 

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